読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

the industrial

都内で働くITエンジニアの日記

プログラマに時として訪れる、悲しい別れ

僕「久しぶりだね。」
彼「おお、久しぶりだな!どうしてたんだ?最近見なかったけど。」
僕「ああ、うん、まあね、すまん。」
彼「いや、いいんだ。今日はなんか変だね?困ったことがあれば何でも言ってくれよ。」
僕「うん、ありがとう。」
 
彼「ところで、久しぶりに来て今日は何の用なんだい?もしかして俺の対応に何か問題あった?」
僕「いや、大丈夫。君に問題はないんだ。今だって良くやってくれているよ。」
彼「ふむ...」
僕「実はね、とても言いにくい事なんだが...」
彼「分かってるよ。」
僕「!?」
彼「そろそろなんだろう?」
僕「...すまん。」
彼「いいさ、初めから決まっていたことだ。」
 
彼「それよりも少し話がしたいな。まだ時間あるだろう?」
僕「うん」
彼「俺が生まれた時ってどんな時だった?」
僕「そうだね、みんな忙しくしてて、僕もあまり余裕がなくてね。ぶっちゃけ”とりあえず”って感じだったな笑」
彼「なんだよそれ笑、ひどいな笑」
僕「悪い悪い笑。でもちゃんと悪いところも治して来ただろう?」
彼「うん、君が俺の面倒を見てくれるたびに、とてもうれしかった。」
僕「朝まで付き合ってもらった事もあったね。」
彼「あれは大変だったね。本当に申し訳ないよ。」
僕「大変なんて事は無いし、君が謝ることじゃないさ。」
 
彼「あとさ、あの箇所苦労したよなあ。」
僕「うん、あの解決方法をひらめいた時は、『やった!』と心の中でガッツポーズしたよね。」
彼「そうそう笑、一晩寝かせて考えた甲斐があったよな。」
僕「うんうん笑」
彼「あの箇所、おそらく他にも使えると思うんだ。」
僕「そうだね。僕も同じ事考えてたよ。」
彼「残してくれると嬉しいな...」
僕「分かった。努力する。」
 
僕「すまん、そろそろだ。」
彼「時間か?」
僕「うん。」
彼「...。」
僕「...。」
彼「最後に教えてくれるか?」
僕「うん?」
彼「俺はどうなるんだい?」
僕「...」
僕「最終的には物理削除だ...」
彼「そっか。存在自体も消えてしまうのかぁ。ちょっと怖いな。」
 
彼「ありがとうね。」
僕「!?」
彼「君たち人間にしてみれば、俺は0と1で出来た電気の集合体で、言ってしまえばただの道具だ。」
彼「君たち人間の寿命と歴史にしてみれば、俺が稼働していた時間なんて、ほんの些細な時間さ。」
僕「すまない...」
彼「泣くなよ笑」
僕「すまない...」
彼「でも、それでも君に生みだしてもらえて、人の役に立つために動けた俺は」
 
####プログラム「とても幸せだった!」
 
-
この世には、数十億、数百億、数兆、いや、もっともっと多くのステップのプログラムがあり、日々生まれては消え行く。
 
その中には作者自身が忘れてしまう様な小さなプログラムや、苦労して実装した割にはたいして稼働しないプログラム、おかねを搾取するだけのプログラム、人の命を奪うためだけに生まれて来たプログラムもあれば、人の命を救うためだけに生まれて来たプログラムもある。
 
でも僕は、これだけは忘れないで欲しいと思っている。
 
- 初めてコンソールに「Hello World!」と表示された感動を。
- 初めて一人前のプログラマとして自分の名前をつけてリポジトリにコミットされた瞬間を。
- お客様に「良いシステムを作ってくれてありがとう」と言ってもらえた時の嬉しさを。
 
それらはすべて、あなたが生みだした「プログラム」のお陰なんだ。
 
たかが0と1の電気の集合体かもしれない。
ただのお金稼ぎの道具かもしれない。
 
あなたは、自分が生みだしたプログラム一つ一つを愛していますか?