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ブログと言うより自分のためのメモ以外の何モノでもないです。でも読んでくださってありがとうございます。

DRAGON QUEST YOUR STORY(後半にネタバレを3段階に分けて書いています)

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予告で観たときから絶対に観に行くと決めていた DRAGON QUEST YOUR STORY を鑑賞してきました。

ファンの多いドラクエを題材にした映画であるためか、どうやら本作において重大な賛否両論を巻きおこしているそうで、鑑賞後「なるほどコレは荒れそうだ」と思いました。

しかし、鑑賞を終えてみると冒頭から涙ぐむこと3回、個人的には大満足な結果でした。

というのも、ドラクエ5は昨年亡くなった父親と唯一父と息子として楽しく遊んだ思い出の残るゲームでした。

「お父さん昨日ブオーン倒したぞー!お前に倒せるかー?笑」

「そろそろミルドラース倒しに行ってみるか?一緒にみててあげるぞ?」

「次はベホマズンやっといたほうが良いね」

普段声を掛けることさえ出来ないくらいに怖かった父親とそんな会話をしたことを、このゲームが発売された1992年から27年ほど経った今でも覚えています。

なるほど「YOUR STORY」かと、もろにぶっ刺さった感じでした。






ここからネタバレ

さて、その賛否両論について個人的な感想を誰かと話したいとは思いつつもそんな人は周りに居ないので、このブログで思いの丈を綴っておきたいと思います。

間違ってもこれから鑑賞しようとしている人に対してネタバレをしてはイケナイ類の映画なので、ネタバレレベルを3段階に分けて感想を書きました。

  • ネタバレ レベル1 ー 予告で推測できるレベル。読んでもさほど気にならない(かもしれない)。
  • ネタバレ レベル2 ー 物語の内容に対する感想。予告ではおそらく推測出来ず、ネタバレ気にしない人向け。
  • ネタバレ レベル3 ー 映画の結末に対する感想。賛否両論にまつわる話も書いてしまう。

個人的な感想である以外の何モノでもないのですが、もしネタバレしても良いという人は読んでいって貰えれば幸いです。






ネタバレ レベル1 ー 予告で推測できるレベル。読んでもさほど気にならない(かもしれない)。

キャラクターデザインについて

ドラクエのキャラクターデザインといえばやはり鳥山明大先生なのですが、個人的にはさほど気にならなかったです。

特にフローラの美しさにビビりまして、「あれ、フローラ選ぶよなコレ」と迷ってしまうほどでした。

CGムービーとして

ディズニー や Illumination Entertainment が作るCGムービーに比べるとややコンピューター特有の動きで気になるところはありつつも、キャラクターの豊かな表情、魔法の感覚や戦闘シーンのスピード感あふれる演出、素晴らしいと感じました。

声優

やはりこういう映画ではちゃんとした声優さんを起用するほうが良いと思いました。

パパスを山田孝之が演じることについては 勇者ヨシヒコ 好きな僕からしてみると結構アリなのですが、それでもイメージとちょっと違う(もっと渋くて重たい声の方がヨカッタ)かなと思いました。

特に、主人公リュカのちょっとおちゃらけたキャラクターがあまり好きではありませんでした。

というのも、原作が「主人公は自分」というドラクエ。主人公は無口(一言もセリフがない)なので、自分の中のリュカのキャラクターはもっと冷静で静かな人間を想像していたからですかね。

しかし、映画が進むにつれて全く気にならなくなってくるのは、吹き替え映画の一つの楽しみ方なのかなとも思います。






ネタバレ レベル2 ー 物語の内容に対する感想。予告ではおそらく推測出来ず、ネタバレを気にしない人向け。

ビアンカとフローラ論争集結?そしてキラーパンサーの名前について

主人公は最終的にビアンカを選びます。つまり、公式がビアンカを選んだのです。

しかし、キラーパンサーの名前が「ボロンゴ」ではなく「ゲレゲレ」だったのは、この映画の製作者の意図的に仕組まれたものでしょうか?笑

ドラクエ5を題材にした物語について その1 原作との違い

ドラクエ5のサブタイトル「天空の花嫁」については綺麗サッパリ消えて、天空城は出てこないし結婚式シーンもありませんでした。

また、細かいところで言うと「妖精のホルンが登場しない」や、大きいところでは「リュカの娘(アルスの双子の妹)が登場しない」あたりはちょっと納得がいかなかったですね。

サンチョだけは(声がケンコバなので若干違和感あるものの)割と原作どおりの登場でした笑

さらに、他にもダイジェスト化されたイベントがたくさんありました。

まあもともとが、人間世界と天界と魔界、そして親子3代に渡る壮大な物語なので、2時間に収めるためには仕方ないかなと思いました。

欲を言えば、ブオーン を仲間にするのであれば プオーン として仲間にして上げて欲しかったですね笑

ドラクエ5を題材にした物語について その2 全体として

映画冒頭、レヌール城のイベントをスーパーファミコン時代の画面で演出し、懐かしい音楽とも相まって冒頭から泣きそうに。

パパスが息絶えるシーンや、マスタードラゴンのデザインなどなど、ドラクエ好きにしてみれば満足行く内容なのではないのでしょうか。

特に、主人公リュカの息子、伝説の勇者となるアルスが天空の剣を鞘から抜くシーンは最高に高まり、涙が出ました。






ネタバレ レベル3 ー 映画の結末に対する感想。賛否両論にまつわる話も書いてしまう。

映画の結末

宿敵ゲマに止めを刺したリュカ達は、ついにパパスの仇を打ち安堵するのも束の間。

ゲマは滅びる直前に最後の力を振り絞り、リュカの母マーサの「魔界への門を開く力」を吸収。

魔界への門が開き、魔王ミルドラースが降臨する直前で、ブオーンのちからを借りたアルスが天空の剣を魔界に投げ込みます。

「コレで無事に世界は守られた。ついに感動のエンディングか。」と誰もが思ったその瞬間、魔界の彼方から無機質で不自然な塊が突出し、リュカを残して世界の時間が止まってしまいます。

魔界から出てきたのは真っ赤な翼を広げた”あのミルドラース”ではなく、およそこの世界には合わない無機質なナニカでした。

その無機質なナニカは言いました。

「ここは単なるゲームの中の世界」

「君は今、リメイクされたドラゴンクエストをプレイしている人間に過ぎないのだ」

「私は悪意ある(「ゲームなんてしてないで早く大人になれ」と考えている)プログラマーによって仕組まれた、ミルドラースを乗っ取ったコンピューターウィルス」

そう言いながら、ビアンカやアルス、さらに物理法則までをも消し去りながら、世界を無機質なただの白い空間に変えていきます。

リュカは、ドラクエ5を題材にVRゲームとしてリメイクされた体験型アトラクションに、(おそらく仕事帰りで)ネクタイをして乗り込む現実世界の自分を思い出します。

子供の頃に誕生日プレゼントでドラクエ5を買ってもらい、夢中でプレイし、大人になってもリメイクされたドラクエを楽しもうとする(現実世界の)リュカは、仮想世界であっても自分にとってはかけがえの無い世界だとミルドラースに立ち向かいます。

しかしこの世界のメタな存在であるミルドラースの圧倒的な力によって消えさりそうになるリュカの前に、実はアンチウィルスソフトだった「スラりん(CV:山寺宏一)」が身を挺して守り、「ロトの剣」の形をしたアンチウィルスプログラムをリュカに渡し、ミルドラースに止めを刺します。

かくして、(VRの中の)世界に平和が訪れました。

賛否両論について

この映画を観にいく人は、完全にドラクエ5をフルCGムービーとして作られたということを期待していると思うので嫌う人の方が多いんじゃないかなと思いつつ、どんでん返しが大好きな僕は「あれ、自分は今何を観ているのかな」と、ミルドラースではないナニカが降臨した瞬間最高にアドレナリンがどっぱどっぱと分泌されました笑

ですが「ドラクエ5のフルCGムービー」を観に行きたいと思った人と、単に(僕がひねくれているので)「映画」を観たいと思った人の両方を僕が持っている側面、どちらの意見を尊重するのが普通なのかはわかりません。

もっというと、前者の思いを見事に打ち砕いているので、鑑賞した人の中でこの展開に悪意さえ感じてしまう人がいるのも納得できます。

ですが、個人的には「子供の頃に誕生日プレゼントでドラクエ5を買ってもらい、夢中でプレイし、大人になってもリメイクされたドラクエを楽しもうとする(現実世界の)リュカ」と、同じく「子供の頃12メガビットの世界で、話しかけるのも怖かった父親と一緒に大冒険をし、ドラクエ5を通して唯一父親の優しさに触れた僕」が重なり、今の所今年鑑賞した映画で一番だと感じました。

まあ、また新たな論争の火種を巻いてしまったスクエニはじめ制作陣の功罪は大きくなるでしょうかね?笑

あ、この映画のリュカについては何やら訴訟問題にまで発展しているそうですが、そちらは静観します。

最後に

ここまで、稚拙なネタバレブログに付き合ってくださった方、ありがとうございました。

もしよかったらあなたのご意見を聞かせてください笑

あ、僕はぶっちぎりビアンカ派です(煽り)。