追憶の森
奥さん(ナオミ・ワッツ)を亡くし、後悔の念と、人生に意味を持てなくなった男アーサー(マシュー・マコノヒー)が、自らの人生を終わらせようと死に場所を調べ、たどり着いたのが青木ヶ原樹海。さあいよいよと言う時に、もう二日も森から出られなくて彷徨っているタクミ(渡辺謙)と出会い、なんとか樹海から脱出しようと試みる映画。
言ってしまえばサバイバル映画なんだけど、奥さんは何故亡くなったのかとか、生前どういう生活だったのかを絡めながら掘り下げて行くストーリー。
こう書くと愛のある映画に見えそうだけど、それが必ずしも仲の良い夫婦だったわけでは無く、普通に会話していただけなのに何故か喧嘩になってしまったりと、とにかくギクシャクしてしまう。
それは、アーサーが過去に一度だけ犯してしまった浮気と、それでも本当はお互いがお互いを好きだからこそ、期待しすぎてしまうからなのか。だけど、奥さんに脳腫瘍が見つかり、看病するにつれて仲は良くなるのだけど、冗談にもならないその運命が本当に切ない。
奥さんとしては、もう"最後"には絶対的に許しているのに、アーサーからしてみれば悔やんでも悔やみきれない所と、その心情をタクミに話すシーンで、結果を言うと、もうボロ泣きも良いところ。まさかこんなに泣くほどの映画だなんて思ってなくて、完全に油断してたw
俺も亡くした妹に、言いたいこと、言ってあげたいこと、聞きたいことなんかが、いーっぱいあるのだけど、そことも重なっちゃって、もう2度とはこの映画観れない。
ゴースト・イン・ザ・シェル
絶対映画館で観ようと思い、初日(二日目?)に鑑賞。
直前までBBQで酔っ払ってたので、正直言うと途中ほんのちょっとだけオチたw
北米などではかなり不評で、大赤字を叩き出して大変みたい。
なので、まぁありがちかなと思いつつ観てたわけだけど、この映画作ってる人は本当に攻殻機動隊が好きなんだなって感じられた。
結果、僕はなかなか楽しめた。
スカヨハさんはこの先もう2度とアジア人を演じないみたいな事を言っていたとかなんとからしいけど(何で読んだか忘れたし、ソース見つけられず)、でも、素子少佐を演じられるの、やっぱスカヨハさんくらいじゃないかな。
ビートたけしの荒巻は、ビートたけし色が強すぎて、やはりちょっと無理が…。
あと、バトーはもうちょいなんとかならんかなぁ。
世界観というか、映像美は最高。
ストーリーはオマージュしすぎな。
We are X
僕も例に漏れず、青春時代はずっとXを聴いていたわけで、hideの死とかリアルタイムに通ってきた世代でもあり、必ず劇場で観ようと思っていたわけですよ。しかも、個人的に懇意にして貰っている、GrindHouse 〜「US/UK/日本」を中心とした、ロックシーン最前線のアーティストを紹介する音楽メディア〜の有島さんが出てるという事で、とても楽しみだった。
予想通り、基本的に映画の内容はポエムの羅列なのだけど、当たり前ながらそれがXらしいポエムで、なんか高校生の頃に戻った様な気持ちの良い気分だった。
観ながらビールを飲んでいた事もあり、「あーhideの所泣くんだろうなー」なんて思ってたら、意外とtaijiの所での方がボロ泣き(もちろんhideのくだりでもボロ泣き)。taijiは本気で日本一カッコいいベースを弾く人だったと思ってる。別件で知ったのだけど、有島さんが一番よくやり取りしていたのはtaijiらしい。
今、またXが活動してくれていて嬉しい限り。
映画館でこの映画を観れて、本当に良かった。
駆け込み女と駆け出し男
とっても面白かった。
江戸時代(天保)の縁切り寺と言われる、所謂駆け込み寺を舞台としたお話で、この時代女性からの離婚は通常認められず、唯一駆け込みに成功した場合のみ、その後2年修行すると、お上管轄の元旦那に離縁状を書かせる事が出来るとか。
駆け込みに成功というのは、帯刀時代なので、面目を潰されるくらいなら切り捨ててしまおうという人がいるため、本当にお寺に"駆け込む"。
その時は、下駄でもなんでも身につけているモノを寺に投げ込めば駆け込みと認められ、以降はお上に保護された(ような)状態となる。
大泉先生が出てるのでコメディータッチの時代劇なのかなと思ったら、いやはやなかなかシリアスな内容(もちろんちょっとコメディータッチはある)。
大泉先生の文句大立ち回りが上手く使われて?いて、役者とはかくありきのような、観ているとなんだかこう込み上げるシーンアリ。
江戸時代の風景だとか、押し問答だとか、喧嘩だとか、曲亭馬琴とか、人情だとか、満島ひかりのお歯黒だとか、その他幕府やらなんやら、なんと言うかどこを取っても綺麗なんだ。
そんなわけで、映画の時間は2時間半以上あるのだけど、ずっと続きを観ていたいなーと思える傑作だった。
まあ、単純に俺が大泉先生のファンなだけだからだと思うけどw